長男が小学校に上がるタイミングで、小学校が募集していた読み聞かせボランティアに参加すること決めて、その後4年間読み聞かせをしました。
私は親として熱血タイプでもないし、無類の子供好きでもないし、元先生でも図書館司書でもボランティア好きでもありません。
では強制でもないのになぜそんなことをしていたのか?
実は結構いろんなメリットがあるんです。
私が個人的に感じたメリットと、私なりのテクニックについてまとめました。
Contents
小学校の読み聞かせってどんなもの?

私の息子が通う小学校の読み聞かせはすごくゆるい団体で、なんとなく4月にお手紙で募集して、やりたいと応募した人が1年間メンバーになります。
月1回の読み聞かせの日に年初に決めておいた担当の人が朝学校に来て、その日担当するクラスで10分間好きな本を読み聞かせする、という内容です。
って前提だから急に休んでもOK!
2月はインフル流行るから予備の人がゾロゾロ待機してる


他の小学校のお友達にも聞いてみたらこんなパターンもありました。
- 各クラスその子供の親何人かがやらなきゃいけない
- 毎週決まった曜日に持ち回りでやらされる
- 地域のボランティアの方が読み聞かせに来てくれる
- 担任の先生がやっているので外部からは来ていない
と、こういう話を聞くと、息子の小学校は強制力もないですし、融通も効くし、楽に活動できるからこそ気軽に参加できたんだと思います。
小学校の読み聞かせをした体験について

冒頭でもお伝えした通り、私には強制力のないボランティアに参加するアツい親ではありません。
そんな私が読み聞かせをしてみた体験談をまとめました。
参加に至るまでのいきさつ
ではなぜ自ら参加したのかというと、単純に長男が心配だったからです。
- 忘れ物
- 運動・勉強が苦手
- 友達への執着がない
- 集中力がない
- 小柄でいじられキャラ
とまあとにかく心配な要素しかない上に今日の出来事を家で話さないタイプなので、学校で何をしているのか何も情報がなく、余計に心配していたのです。
心配だから、担任の先生に電話して相談するとか、本人に問い詰めるとか、そういった
「あからさまに心配している」
という表情は見せたくなかったので、
「楽しそうだからやってみようかな〜」
とあたかも自分都合で参加することにしました。
参加して得たこと
参加してみたら、毎月コンスタントに学校に潜入することができました。
私としてはさりげなく長男を観察するためのスパイ活動のようなものでした。
そして私と同じようにスパイ活動として潜入しているママはたくさんいましたし、中にはパパもいました。
そのスパイ活動の結果、得られたメリットは
- 長男の周りにどんな人間関係があるのかを観察できる
- 先生やクラスの雰囲気を観察できる
- 学級崩壊が起きたけど、案外冷静に対応できた
- 子供たちに顔を覚えてもらえるし、なついてもらえる
- 学校の話をしない息子にこちらから具体的な話を振れる
他にもたくさんありますが、ざっとこんな感じです。
息子に何かあった時に学校の状況が少しでも分かっていたら、できる対応は違います。
実際に2年生の時にがっつり学級崩壊が起きましたが、他のママに比べて冷静に対応できたんじゃないかと思います。
逆にデメリットももちろんあります。
- すごく緊張する
- 本を選ぶのが大変
- 他のメンバーとのお付き合いが面倒
- 次年度に「辞めます」と断りにくい
- 失敗して凹む
デメリットは主に私に関することですし、これも経験を積むうちに私自身が成長するきっかけとなりました。
典型的な陰キャですねん


能天気なよく喋るおばち
あ、なんでもないです
3年目あたりから緊張しなくなり、フラットなテンションでこなせるようになりました。
本を選ぶのは大変でしたが、選書するために家で子供と本を読む時間が増えました。
読み聞かせのことで悩んだこともありましたが、私としてはいい経験になりました。
小学校の読み聞かせ〜私なりのテクニック

「好きな本を持ってきて楽しく読んでくれればいいんです。」
と癒し系の代表の方が気軽に声をかけてくれて、それが「私にもやれるかも」という後押しになりました。
この先やろうか迷っている方に向けて、私なりのコツをまとめてみました。
選書するテクニック
選書するときに気をつけていることが3つあります。
- 時間内に読み終えるボリューム
- 後ろの方まで見える視認性
- 読んだことなさそうな本
難しく書きましたが、平たく言うと大きめで短い本を数冊図書館で借りてきて、時間を測りながら子供に聞いてもらって反応のいいものを2冊選びます。
本のサイズが小さくなくても、「ウォーリーをさがせ」並に絵が細かすぎるものや、ぼんやりした優しい色調のものは避けるようにしました。
最後の項目はは息子に「この本は教室に置いてない?」と確認するだけ。
あとは強いてあげるなら、私はもともと大阪出身なので、どうしてもウケることを考えてしまい、2冊読む時は1冊はおもしろ系の本を選びます。
欲を言えば季節感のあるものがいいのですが、例えば「春にクリスマスの本はナシ!」のように、外さなければいいと考えています。
読む時のテクニック
テクニックなんてなくてもいいのですが、知っていたら少し自信がついて緊張しにくくなります。
【事前練習はしておく】
これは基本ですが、読み慣れた本の方の方が緊張しませんし、読んだことない本なら最低限その本のクセのようなものを把握しておいた方がスムーズに読めます。
って本いっぱいあるねん

読み聞かせの時は、本を上または横から覗き込んで読むことになるので、いつもよりも読みにくいです。
緊張してる上に読みにくいので、内容は把握しておきましょう。
【読む前にツカミを入れる】
自分の緊張を和らげるために、まずは読む前に場を温めます。
簡単に自己紹介をした後、なんとなく会話をして距離を縮めることをしています。
テクニックというほどではないですが、おすすめの本と共に具体例をご覧ください。
「カッパのあいさつ」高畠那生
アカッパとミドッパがお皿を探す話なのですが、いろんな「皿」が出てくるので笑えたりどんなお皿か探せたり、小学生ウケする本です。
この人の本はシュールで大人の私も笑えるので大好きです。
【登場するものに関するクイズを出す】
泳ぐのがうまくて、川に住んでて、きゅうりが好きで、お皿が乗ってる生き物なんでしょう?
とヒントを出しながら、本に出てくるものを当ててもらいます。
遠いヒントから出していって不正解を出してもらうと盛り上がりますよ。
この本はカッパが正解なので
「あったことあるひとー?」
と付け加えてもうひとツカミすると盛り上がります。
「おじさんのかさ」佐野洋子
この本に出てくるおじさんが大人げなくて大好きなんです。
子どもの頃にも、え?大人なのに?と思いながら読んだ記憶があります。
【自分のエピソードや思い入れを伝える】
国語の教科書で好きなお話はありますか?と聞きながら、
「これは私が小学校の時に教科書に載っていたお話です」
とエピソードを付け加えて紹介します。
教科書に好きな話がある子は特に、どんな話だろう?と気になりますよね。
「とんでもない」鈴木のりたけ
個性は色々あってみんな誰かのことがうらやましい、とメッセージ性のある話なのに、コミカルでスピード感もあるので読みやすくて聞かせやすい本です。
【本当てクイズを出してみる】
有名な本を読む時は、一瞬見せて
「この本知ってるひとー?」
と聞いてみます。
子供って案外動体視力が良くて、2〜3回やると元気よく
「知ってるー!」
と返事してくれる子もちらほら。
簡単な方法なのに結構盛り上がります。
この他にも、
- 後ろの子も本が見えてるか確認するのに、せーのでタイトルを読んでもらう
- 2冊持っていたら「どっちから聞きたい?」とアンケートをとる
- 食べ物系の本なら「好きな食べ物なに?」ときいて自由に発言してもらう
などなど、やっているうちに色々試してリアクションを見るのは楽しいですよ。
【ザワザワが始まったら少し待つ】
面白いページはリアクションが大きくなります。
最初のうちはザワザワに対処する方法がわからず苦笑いしていたんですが、ザワザワはもっと見たいという意志の現れですので落ち着いて待ちましょう。
余裕があればザワザワにリアクションや返事して会話するのもいいでしょう。
「続きどうなるでしょう?」
で大丈夫。


自分のペースを守ろうとして力技で読み続けても、経験上ちゃんと聞いてくれなかったことが多いです。
【読み終えたら表紙と裏表紙を見せる】
読み終えたあとの終わり方って最初のうちはどうしていいかわかりませんでした。
私のところでは経験の長い師匠が時々講義をしてくれたのですが、物語を聞いた後で改めて本の表紙を見ると発見があるそうです。
表紙と裏表紙で絵が繋がっていることがよくあるため、読んだ後は本を開いて表紙を繋げて見せて、改めて本のタイトルを読んであげるのがいいですよ、と師匠は教えてくれました。
【感想を聞かない】
よくやりがちだと思うのですが、読み終えた後に
「どうだった?」
「面白かったね」
などの感想を求めるのは、集団の前で読み聞かせをする時には辞めた方がいいと、これも師匠から教わりました。
師匠の教えをまとめると、
ポイント
おもしろいと口に出したい子もいれば、自分の中で物語の余韻に浸っていたい子もいる。
余韻に浸りたい子の邪魔をしてはいけない。
私たちは先生ではないから、感想を言わせたり何かを教えたりする立場ではない。
先生じゃないからこそ子どもたちがただ物語を聞くだけ、という特別な時間を過ごすことができる。
うまく文章にまとめられない自分がもどかしいですが、素敵な言葉でいろんなことを教えてくれました。
読み聞かせは誰にでもできるけど、先生じゃできない特別な時間を提供することができる特別な行事です。
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まとめ
月1回の活動だったのと、特に何かの経験があるわけでも人前で話すのが得意でもなく、完全に慣れるのには2年かかりました。
最初は息子の観察が目的でしたが、そのうち息子のいないクラスに行くのも楽しみになりました。
クラスの子たちが本を面白がって聞いてくれるのは私が嬉しいだけではなく、息子にとっても鼻が高いことだったようです。
自分が楽しむのが1番のコツですが、もしも私のように読み聞かせをやってみたいけど自信がないと考えている人にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。